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2021/04/24

すべての人間の尊厳を守るために ―求められる宗教者の役割とは―

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アジア太平洋女性信仰ネットワーク(APWoFN)は、”The Reality of Human Trafficking in Asia(アジアにおける人身売買の実態)”と題して、第1回オンライン・シンポジウムを1月14日、15日に開催しました。

今回のセミナーの目的は、人身売買の深刻さを学び、人身取引を世界から根絶する意識を高めることでした。2日間合わせておよそ220名の方にご参加頂きました。

人身売買とは、現代の奴隷制に分類されるもので、利益を得るために、強制、詐欺、または欺瞞によって人を集め、輸送、移送、匿い、または収受することです。老若男女を問わず、またあらゆる背景を持つ人々がこの犯罪の犠牲になる可能性があり、世界のあらゆる地域で発生しています。国際労働機関(ILO)は、世界で4,030万人が人身売買の被害者であると推定しています。

アジア宗教者平和会議(ACRP)は、5つのフラッグシップ・プロジェクトの一つとして人身売買防止に取り組んでおり、その活動はアジア太平洋地域から世界へと広がっています。

2日間のプログラムを通して、私たちは人身売買が犯罪に直接関与している人間の問題ではなく、「加害者」と利害関係を持っている者同士の間でも問題となっていることを学びました。

講演者の一人は、人身売買の被害者は国境を越えて移動するため、各国の宗教指導者やNGOと密接に協力してこの問題に取り組むことが重要であると訴えました。 人間の尊厳を守るためには、宗教者の役割が非常に重要であることを強調しました。

また、別の講演者からは、新型コロナウィルスの感染拡大により貧しい人々がさらに苦境に立たされていることが報告されました。仕事を求めて、強制労働や性的搾取などの被害者が激増しています。

人身売買は特定の国だけの問題ではなく、多くの国が加害国として関わっています。その国の警察当局や政治が関与している可能性も高いのです。

今回のセミナーを主催したアジア太平洋女性信仰ネットワークは、教育機関や雇用の創出、信仰に基づく団体と、人身売買防止に取り組む団体との国際的なネットワークの強化、ウェブサイトやSNSを通じた啓発活動などの重要性を訴えました。アジア太平洋女性信仰ネットワークの議長は、早期撲滅に向けて人身売買に関するワーキンググループを立ち上げることを提案しました。

6月には、子どもと女性に焦点を当てた「現代の奴隷制」に関するセミナーが開催されます。このセミナーを一過性のものにせず、世界から人身売買が無くなるまで、私たちはこの啓発活動を続けていかなればなりません。

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