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2021/07/17

WCRP日本委員会女性部会による宗教別学習会~イスラーム教から学ぶ人間の原点とは?~

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7月3日(土)WCRP日本委員会女性部会は、宗教別学習会と題しイスラーム教の教え、生活について理解を深める学習会を実施いたしました。

女性部会では1998年より毎年、WCRP加盟教団や関係教団を訪問し、その教団の歴史や教義、平和の取り組みなどについて学び、相互理解を深めることを目的として、宗教別学習会を実施しています。今年は、新型コロナの影響で教団訪問は出来ませんでしたが、ムスリム世界連盟日本支部(MUSLIM WORLD LEAGUE Japan Office)のご協力のもとオンライン学習会を実施しました。

ムスリム世界連盟は、サウジアラビア王国・マッカを拠点とする非政府組織です。世界の平和を実現することを目的に、イスラームの正しいメッセージを伝える活動をしています。2015年、イスラム世界連盟とWCRP日本委員会の共催の下、ムスリムと日本の宗教者の対話プログラムを実現させ、ムスリム指導者と日本の宗教指導者の結束と団結を前進することができました。以降、宗教の違いを超えた相互理解の下、世界の平和のために協力し合いながら交流しています。

初めに女性部会副部会長 河田尚子先生より開会の挨拶、学習会の趣旨をご説明頂いた後、ムスリム世界連盟⽇本⽀部∕MUSLIM WORLD LEAGUE Japan Office代表を務めるアナス ムハンマド メレー アルアンサリ博士からイスラームの教え、平和への取り組みについて、ご講演を賜りました。普段ムスリム以外は立ち入ることの出来ないサウジアラビアのマッカ(メッカ)について、映像や写真を交えながら分かりやすく説明をして下さいました。参加者との交流では参加者一人ひとりの質問に真剣に向き合って下さいました。どのような環境を整えれば宗教対話や宗教協力が出来るかという質問に対しアナス博士は、他者を理解することが何よりも重要であると語られました。

その後、第2部では女性ムスリムのアルバンダリ・ビン・ムラハ・アルアンサリさんからイスラーム教の日々の信仰・実践・ムスリマ(女性ムスリム)の使命、喜び、課題について語って頂きました。イスラームの教えは単なる宗教ではなく、生き方の一つです。その教えは人との付き合い方や接し方、ビジネスの面でも非常に重要な役割を果たしているそうです。アルバンダリさんは、教えの最も大事な原則のとして、怒りを抑え暴力を絶対に避け平和的な選択肢を選ぶこと、人間は全て同じように作られており、人間の間に人種差別や差別はあってはならないと仰っていました。彼女のメッセージから参加者一人ひとりが他の宗教を尊重しすべての人々と平和的に共存することが大切であることを再認識しました。

私たちは、イスラーム教について、ムスリム、ムスリマの生活についてどれくらいの知識を持っていたのでしょうか。氷山の一角のように普段から書籍やメディアで取り上げられている内容しか見ていなかったかもしれません。その理解も、ステレオタイプ思考であるかもしれないと気づかされました。イスラームの教えは非常に厳格であり、特に女性はその厳格なルールに縛れているのではないかと歪んだ考えもあります。しかし今回の勉強会で、教えを通して彼女たちは女性の尊厳を守り、自分自身の個性を大切にしている姿を見ることができました。教えを正しい視点で見た時、イスラーム教は人類に共通して必要な心の持ち方を示していると気づきました。

イスラームの教えが親から子へ、子から次の世代へ受け継がれていることから、家庭での宗教教育基盤が整えられていることが分かりました。世界の争いの原因として、他文化、他宗教への不理解が挙げられています。私たちは、知らず知らずに排他的な目線を持ち、個人主義の社会に埋もれてしまっているのではないでしょうか。今回の学習会では、世界の宗教者が繋がり合い、理解を深めると共に、宗教者は自文化中心主義ではなく文化相対主義であることの重要性を再認識させられました。

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