2024/11/01
ユニハーモニー・パートナーズ・マニラが女性・平和・安全保障に関する諸宗教フォーラムを主催
報告 |レリジョンズ・フォー・ピース フィリピンは、BYU国際法・宗教研究センター、フィリピン・イスラムセンター、ユニハーモニーパートナーズ・マニラと協力して、「女性・平和・安全保障に関する諸宗教フォーラム」を2024年10月28日(月)、パサイ市のランソンプレイス・モール・オブ・アジアにて主催した。
このフォーラムは、10月28日から30日に開催される国連の「女性・平和・安全保障に関する国際会議」の一環としての宗教間コミュニティの会合であり、国連安全保障理事会決議1325(UNSCR 1325)の25周年を記念し、世界の相互関係の重要性を強調した。
フォーラムは、女性のエンパワーメントを進める場として、宗教の自由、信仰伝統における女性の役割、環境保護、そして胎児や家庭内暴力に直面する女性や子どもなど、脆弱な人々の保護といった重要な課題が交差する点に焦点を当てた。フォーラムの主な内容は「女性・平和・安全保障に関する国際会議」に共有される予定だ。
バンサモロ自治地域(ミンダナオ・ムスリム自治区)の国会議員であるスハルト・M・アンボロドト氏が、平和構築活動における女性の重要な役割を認めてフォーラムを始めた。続いて、末日聖徒イエス・キリスト教会の広報・出版ディレクターであり、レリジョンズ・フォー・ピース フィリピンの事務局次長であるハイディ・ファハルド氏がフォーラムの目的を説明した。彼女は「このフォーラムは、女性が平和構築に完全かつ意義深く参加するための障壁を乗り越える道筋を見出し、協力的な戦略を開発することで、世界的な取り組みに貢献することを目指しています」と述べた。ファハルド氏は、平和と安全保障のプロセスにジェンダーを取り入れることで成功の可能性が高まり、持続的な平和が促進されると強調しつつも、依然として女性の役割が十分に認められていない現状を指摘した。そこでフォーラムでは「どうすれば女性の平和プロセスへの参加を増やせるか?女性が積極的に安全保障の促進と維持に関わるために、宗教間コミュニティや関係者が採るべき戦略は何か?」という課題に焦点を当てた。
「障壁を打破する:平和構築と教育における女性の参加を促進するための戦略」というサブテーマのもと、アライアンス・フォー・ザ・ファミリーの会長であるマリア・コンセプシオン(ガーリー)・ノーチェ学部長は、聖ヨハネ・パウロ2世の「女性の天賦の才能」という考え方に触発され、女性の平和構築への役割を高めるための具体的な戦略を提案し、聴衆に実践的なステップを示した。国際的な講演者も登壇し、ミャンマーのレリジョンズ・フォー・ピースのサパイ・カイン氏は、信仰を持つ女性たちと宗教団体が協力し、教育やトラウマの癒しを通じて紛争の被害者を支援する取り組みについて話した。ネパールのウィメン・サービス・インスティテュート(WSI)の会長、バワナ・バッタ氏は、意義のある平和構築の実現には、トップから草の根レベルに至るまで、女性の参加をさらに増やす必要性を強調した。
プログラムの後半では、レリジョンズ・フォー・ピース フィリピンの会長であり、マニラのサント・トマス大学環境化学の名誉教授でもあるリリアン・シソン博士と、フィリピン佛光山のシー・イ法師が、環境平和構築における女性のリーダーシップについて講演し、気候変動に対応するためのエネルギー節約や環境保護を支援するライフスタイルの変革を訴えた。シソン氏は特に、信仰を持つ女性たちが協力することの強さを、平和と安全を築くための効果的な戦略として強調した。
午後のセッションでは、マニラのサント・トマス大学宗教研究所のパブリト・バイバド Jr.博士が司会を務め、女性の役割や、女性のエンパワーメントを推進する上で宗教コミュニティが直面する課題についてパネルディスカッションが行われた。パネリストには、カルロス・レイズ神父(カトリック教会)、エラヴィラ・マガ・カビラス師(フィリピン独立教会)、アルヴァロ・センチュリアス Jr.師(フィリピン連合キリスト教会)、エブラ・モクシール・アル・ハジ師(フィリピン・イマーム評議会)、アルドリン・ペニャモラ博士(フィリピン福音教会評議会)、アセラ・アラゴ氏(フォコラーレ運動)、および国際カトリック青年監視機構のアジア代表であるカール・アントニオ神父が参加し、それぞれの信仰における女性のエンパワーメントについて話し、平和活動における女性リーダーシップを推進する上での課題と成功例を紹介した。マガ・カビラス師は、フィリピン独立教会(IFI)では女性も男性と同等に司祭として務めていると述べ、一方でモクシール師は、クルアーンが教える女性の保護について強調した。
締めくくりの挨拶で、フィリピン・イスラム民主センターのプログラムディレクターであるサルマ・ピル・ラスール弁護士は、宗教および政治機関が、特に脆弱な女性や子どもに影響を及ぼす社会問題に対して独自の見解を提供できるよう、女性のリーダーシップへの参加を確保すべきだと強調した。
英文執筆:フィリップ・L・フエンテス
(https://rfpasia.org/interfaith-forum-on-women-peace-and-security/)
日本語訳:ACRP東京事務局